大学を辞めた瞬間、「もう終わったかもしれない」と感じるのは自然な反応です。けれど現実は、道が消えるというよりルートが変わるだけで、生活を立て直す方法はいくつも残っています。この記事では、学歴に自信がなくても進めやすいITの仕事を、Web制作・アプリ開発・インフラに分けてやさしく比べます。
読んだあとに「自分はこれから何をするか」が決まるように、仕事の中身だけでなく、選び方と進め方まで一緒に整理します。長い話をきれいにまとめるより、明日から動ける形を優先します。焦りを減らしつつ、現実的に食っていくための話です。
中退直後にまず知りたい現実
ここでは「終わった」と感じる気持ちをいったん脇に置き、現実にできることを整理します。選択肢を知るだけで、不安はかなり小さくなります。
中退後の道は思ったより多い
中退は珍しいことではなく、年によって差はありますが「毎年一定数は大学を辞める人がいる」と公的統計でも示されています。割合で見ると年2%前後と言われることもあり、あなただけが特別に失敗したわけではありません。
選択肢は、正社員だけに限りません。まずはバイトや派遣で月8万〜12万円を確保して、生活を守りながら次を探す人もいます。
在宅でできる小さな仕事や、知り合いの手伝いから入る人もいます。最初の一歩が小さくても、動けている事実が次のチャンスを呼びます。
「今の自分にできる形で続ける」ことが一番大事です。完璧な再スタートではなく、続く設計に変えるほうが結果は安定します。
学歴より行動が評価される場面もある
学歴が見られる会社はありますが、すべてがそうではありません。特にITの一部は、履歴書より「何を作ったか」「どう考えたか」を重視する文化があります。
たとえばWeb制作なら、公開URLが1本あるだけで話が早くなります。アプリ開発なら、動くデモとGitHubがあれば「作れる人」に近づきます。
面接で強いのは、抽象的な自己PRより具体物です。中退の説明に時間を使うより、成果物の話に時間を使えるほうが勝ちやすいです。
言葉より形で示す作戦は、学歴に不安がある人ほど効きます。だからこそ「作って見せる」方向に舵を切る価値があります。
空白期間を短くし、相談先も使う
企業が気にするのは「中退」より「その後の時間」です。何もない半年より、2か月でも学習記録と成果物があるほうが説明が簡単になります。
空白を埋めるのは、たいそうな実績でなくて大丈夫です。毎日30分でも続けた記録があれば、話せる材料になります。
一人で抱えると判断が遅れます。ハローワークやジョブカフェのような無料相談は、求人だけでなく書類や方向性も一緒に整理できます。
「相談できる場所がある」だけで継続力が上がるので、早めに使ったほうが得です。孤立を避けるのは、気合ではなく戦略です。
「人生終了」と言われがちな理由と、本当に困る点
ここでは不安の正体を分解します。何が不利で、何が対策できるのかが見えると、余計に怖がらなくて済みます。
新卒ルートと学歴フィルターの壁
新卒は企業側が育てる前提で採りやすく、仕組みとして強い入口です。中退するとその入口に乗りにくくなるので、別ルートを探す必要が出ます。
さらに、学歴条件で足切りする会社もあります。条件が合わない場所に応募し続けると、落ちる理由が能力ではないのに自信だけが減ります。
そこで重要になるのが、土俵の選び方です。「未経験可」「ポートフォリオ提出」「学歴不問」に寄せるだけで、戦い方が変わります。
壁は能力ではなく入口の問題であることが多いので、入口を変える発想が一番効きます。
中退理由・お金・生活リズムが同時に崩れやすい
面接で中退理由を聞かれるのはほぼ確実です。ここで長い言い訳をすると、話が重くなりがちなので、事実→今の行動→目標の順で短くまとめます。
もう一つの落とし穴はお金です。手元資金が30万円で支出が15万円なら、残り2か月と考えるだけで焦りが増えます。
焦りが強いと、条件の悪い仕事に飛びつきやすく、さらに生活が崩れます。だから先に固定費を下げて「持ち時間」を増やすほうが安全です。
予定が消えると生活リズムも崩れます。起きる時間だけ固定して、午前に少し進めるだけで、時間の流れは味方になります。
今すぐ整える「お金・時間・環境」
ここでは行動を続ける土台を作ります。学習内容より先に、続く生活設計があるかどうかが勝敗を分けます。
固定費と手元資金を数字で見える化する
まず固定費から触ります。家賃が1万円下がれば年12万円、スマホが3,000円下がれば年3.6万円と、効果は意外と大きいです。
次に、月の支出を紙に書きます。食費、家賃、通信、交通、サブスクを並べるだけで「削れる場所」が見えます。
手元資金が45万円、月の支出が12万円なら、単純計算で約3.7か月です。これが見えると「いつまでに何をするか」が決めやすくなります。
不安は曖昧なときに膨らむので、数字で小さくするのが最初の一手です。
学習を続ける環境を作る(時間・PC・人)
学習時間は、最初から多くなくていいです。平日2時間×5日で週10時間、余裕があれば土日に足すくらいが現実的です。
大事なのは「決めた時間に机に向かう」ことです。やる気に頼ると、やらない日が増えて自己嫌悪になります。
PCは新品でなくても、ブラウザと開発ツールが安定して動けば十分です。ネットが不安定だと集中が切れるので、可能なら早めに整えます。
そして相談相手です。週1回でも進捗を話せる相手がいると、継続率が目に見えて上がります。
学歴に不安があっても選びやすいITの特徴
ここではITが選択肢になりやすい理由をまとめます。ポイントは、自分で評価材料を用意できるところにあります。
成果物で勝負でき、入口も作りやすい
ITは「作ったもの」がそのまま証拠になります。WebならURL、アプリならデモ、インフラなら構成図や手順書が、あなたの代わりに説明してくれます。
未経験OKの求人もゼロではありません。ただし「何もない未経験」より、「基礎と成果物がある未経験」のほうが会ってもらいやすいのは当然です。
働き方の幅もあります。いきなり完全在宅にこだわるより、最初は経験を取りに行き、のちにリモートへ広げるほうが現実的です。
副業で小さく試す道もあります。5,000円でも仕事として完了した経験は、学習を一気に実務寄りにしてくれます。
Web制作の仕事内容と向き不向き
ここではWeb制作を「入口になりやすい仕事」として具体化します。見た目を整える力と、期限までに仕上げる力が軸になります。
仕事の中身と、よく使う技術・ツール
Web制作は企業サイト、LP、ECなどを形にします。1ページでも売上に直結することがあるので、読みやすさと導線が重要です。
基本はHTMLとCSSで画面を作り、JavaScriptで動きを付けます。最初は理解より再現でよく、模写で手を動かすほうが伸びます。
実務ではWordPressやShopifyのようなツールも多いです。ゼロから全部作るより、型を使って早く仕上げる場面が普通にあります。
デザイン共有はFigmaがよく使われます。余白や文字サイズを丁寧に合わせる力が、そのまま評価につながります。
どんな人に向いているか
向いているのは、ズレに気づける人です。スマホ表示で少し崩れたときに「気になる」と思えるかどうかが分かれ目になります。
修正が多いので、直し作業を苦にしない人は強いです。逆に「一発で終わりたい」タイプだとストレスが溜まりやすいです。
また制作は連絡が多いです。クライアントやディレクターとやり取りしながら進めるので、返信が遅い癖があると不利になります。
細部の調整と締切を守る力が武器になる仕事だと理解しておくと、ミスマッチが減ります。
アプリ開発の仕事内容と向き不向き
ここではアプリ開発を「機能を作る仕事」として整理します。考える量は増えますが、作れたときの手応えも大きい分野です。
仕事の中身と、技術の選び方
アプリ開発はログイン、投稿、検索、決済など、便利さの中心にある機能を作ります。見た目も大事ですが、裏で正しく動くことが最優先です。
スマホならiPhoneはSwift、AndroidはKotlinが定番です。どちらから始めるかは、手元で試しやすい端末で決めると迷いが減ります。
両方を一つで作りたいならFlutterという手もあります。個人開発で形を作りやすいので、最初の成功体験に向くことがあります。
裏側にはサーバーがあり、PythonやJavaなどが使われます。表と裏がつながる感覚を持つと、作れるものの幅が一気に広がります。
どんな人に向いているか
向いているのは、原因を考えるのが嫌いではない人です。エラーは日常で、すぐ直らない日も普通にあります。
そこで「うわ、終わった」となるか、「どこが怪しい?」と切り分けられるかで伸び方が変わります。小さな仮説を立てて試す癖が強い武器になります。
逆に、地道な確認が苦手だと苦しくなりやすいです。原因が設定ミス1行だった、ということも珍しくありません。
粘り強さは才能ではなく習慣なので、短いタスクを積んで「直せた経験」を増やすのが近道です。
インフラの仕事内容と向き不向き
ここではインフラを「止めないための仕事」として説明します。派手さは少なくても、安定を支える重要な役割です。
仕事の中身と、学ぶ範囲
インフラは、サービスが落ちないように土台を守ります。アクセスが増えても耐えるように調整し、問題が起きたら原因を切り分けます。
今はクラウドが主流で、AWSやGoogle Cloud、Azureなどが使われます。最初は一つに絞って触る回数を増やすほうが覚えやすいです。
基礎としてLinuxとネットワークが出てきます。用語は多いですが、順番に覚えれば理解できるので、焦って丸暗記しないほうがいいです。
監視ではZabbixやDatadogのような仕組みを使うことがあります。異常に気づき、再発を減らすのが価値になります。
どんな人に向いているか
向いているのは、決めた手順を守れる人です。ルールを守るほど事故が減るので、真面目さが強みに変わります。
一方で、職場によっては夜間対応が入ることがあります。絶対に無理なら、求人でオンコールの有無を確認して避ける必要があります。
変化が嫌いすぎる人もつらくなりがちです。道具は変わっても、学び直す場面がゼロにはなりません。
安定運用をコツコツ積むのが好きなら、インフラはかなり相性が良い仕事です。
3職種の違いを比較して、失敗しにくく選ぶ
ここではWeb制作・アプリ開発・インフラを、選ぶための目線でまとめます。「何を作るか」「何を見せるか」「どんな毎日か」で比べると決めやすいです。
見た目・機能・安定運用の違いを一気に整理する
Web制作は見た目と体験を整えます。アプリ開発は機能を作ります。インフラは安定を守ります。
「画面の美しさ」に反応するなら制作が合いやすいです。「仕組みが動く気持ちよさ」が好きなら開発が合いやすいです。
「落ちない仕組み」に興味があるならインフラが合いやすいです。どれが上という話ではなく、興味の矢印が違います。
続く分野を選ぶのが最強です。向いているかどうかは、続けられるかどうかでだいたい決まります。
成果物の作り方と見せ方で勝率が変わる
制作はURLで一発です。トップページ、下層ページ、スマホ対応まで揃っていると、未経験でも話が通りやすくなります。
開発はGitHubにコードを置き、READMEに「何ができるか」「動かし方」「工夫点」を書くと強いです。見せ方が丁寧だと、それだけで評価が上がります。
インフラは構成図と手順書が効きます。小さくても「どう組んで、どう確認したか」が書けると、実務に近い印象になります。
迷うなら、3か月で一度試します。作ってみた感触で選び直すほうが、頭の中で悩むより速いです。
学び方と就職の進め方
ここでは独学・スクール・応募の進め方をまとめます。学習だけで終わらせず、成果物と応募をセットで回すのがコツです。
独学で最短に進める手順
最初の2週間は基礎の全体像をつかみます。Progateやドットインストールのような教材で、広く浅く一周するのが向きます。
次の4〜6週間で、小さくても完成品を作ります。途中で教材を増やすより、1本を作り切るほうが自信になります。
わからない言葉はMDNなどで調べ、メモに残します。調べた回数が増えるほど、次の学習が速くなります。
「理解してから作る」ではなく「作りながら理解する」ほうが、挫折しにくいです。
スクールを使うべき人と、選び方
スクールは時間と伴走を買う選択です。独学で何度も止まる人や、一人だとサボる人には効果が出やすいです。
ただし費用が高いので、勢いで決めないほうがいいです。カリキュラムの中身より「卒業時に何を作れる状態か」を見ます。
転職支援がある場合は、条件をよく読みます。紹介先の幅や、途中退会時の扱いなどは、後で効いてきます。
自走できる人は独学で十分です。自分の性格に合わせて、環境にお金を使うかを決めます。
応募は早めに始めて、改善を回す
応募は学習が終わってから、と思うと時間が溶けます。成果物が1つできたら、反応を見るために10社だけでも出してみます。
反応が薄いなら、落ち込みより改善です。自己紹介文、成果物の説明、見せ方の順に直すと、通過率が上がりやすいです。
WantedlyやGreenのような場所で探しつつ、相談はハローワークやジョブカフェも使えます。書類は第三者に見てもらうだけで良くなることが多いです。
応募→改善→応募のループが回り始めると、現実が動きます。
よくある不安への答え
ここでは中退後によく出る質問を、実務寄りに整理します。感情の問題に見えても、行動に落とせば解決できるものが多いです。
履歴書・面接での伝え方
履歴書には入学と中途退学を事実として書きます。空白にするより、正直に書いて次の話へ進めたほうが安全です。
中退理由は短くでOKです。事実を言い、今の改善行動を言い、目標で締めると重くなりません。
たとえば「体調面で継続が難しく中退しましたが、生活を整え、毎日2時間学習して成果物を作りました」のように、現在の行動を中心にします。
過去の説明より、今の証拠を増やすほうが、面接は通りやすくなります。
期間の目安・資格・フリーランスの現実
未経験からの目安は人によりますが、週10〜20時間を3か月続ければ「応募できる材料」は作れます。重要なのは、完成品を1つでも出すことです。
資格は必須ではありません。制作や開発は成果物のほうが見られやすく、インフラ寄りならAWSの入門資格などが基礎整理に役立つことがあります。
いきなりフリーランスは危険度が高めです。実績ゼロだと営業で詰まり、生活が苦しくなって学習も止まりやすいからです。
副業で小さく実績を作る→安定して入る→独立を検討という順番が現実的です。
まとめ:中退は終わりではなく、立て直しのスタート
最後に、今日からの動きを短くまとめます。大きな逆転より、生活を守りながら小さく積むほうが勝ちやすいです。
生活を安定させ、1つに絞って形にする
最初にやるのは固定費の見直しと、手元資金の把握です。持ち時間が増えるだけで、焦りが減って判断が良くなります。
次に、Web制作・アプリ開発・インフラのどれか1つに絞ります。3か月だけでも集中すると、完成品が出る確率が上がります。
完成品は名刺になります。公開URL、デモ、構成図など、見せられる形にして初めて「できること」が伝わります。
生活を守る→形にする→応募して改善する、この順番で回せば、中退は不利ではなく「切り替えのきっかけ」に変わります。
応募と改善を回し、孤立を避ける
準備が完璧になるのを待つより、早めに応募して反応を見ます。落ちたら終わりではなく、改善点を拾ったと考えるほうが続きます。
相談先と仲間は、想像以上に効きます。月1回でも人と話すだけで、学習が途切れにくくなります。
connpassの勉強会のような場に出ると、同じ悩みの人が普通にいます。自分だけが遅れている感覚が薄れ、前に進みやすくなります。
孤立しない仕組みを作った人が、最後に勝ちます。中退後の勝負は、才能より「続け方」で決まります。






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